「あなたのマンションは大丈夫か!?
空室だらけでスラム化
高齢化で増える管理費滞納
中国人に占拠される理事会」
フラ~っと大型書店を歩き回っていたときに、ふと刺激的な新書の文字に気がつきました。
日頃不動産業界の片隅で糊口をしのいでいることもあり、気になって本を手に取って
眺めてみたらば。。。
う~ん、これはなかなか微妙な内容。
一口で言えば空家問題についての本なのですが、今、はるか遠くの方でパチパチ上がっている
火の手が、数年後には目の前の猛火に変わる、…かも、という話です。
統計資料や実際にあったエピソードがふんだんに盛り込まれていて、けして杞憂では終わらなそうな展望に、はたしてこの本をこのブログで取り上げてもいいものか?そのあたりの迷いが「微妙」の文字に込められていまして。。
このブログを書くにあたって、小難しいルールを決めていたわけではないのですが、本書の内容がオーナー様やお客様にも若干影響があるかもしれないと、本のご紹介をちょっと躊躇したのは事実です。
ただ、現実に起こりつつあることが、規模が大きすぎてうまく認識できない、そんな状況にあるのもまた事実かなとも思ったので。
それやこれやで簡単に、目次のご紹介と印象に残った部分を引用して今回は終わりにしたいと思います。
【目次】
- 第1章 「地方」の問題ではなくなった空家問題
- 第2章 都心で進む「マンション空き家問題」
- 第3章 老朽化マンションが抱える「スラム化」の恐怖
- 第4章 問題解決を阻む管理組合という存在
- 第5章 タワーマンションの将来
- 第6章 マンションの資産価値を考える
- 第7章 解決のための処方箋
- 第8章 不動産価値の大改革を迎えて
【印象に残った部分その1(48ページ)】
“2014年5月、有識者の任意団体である日本創成会議が発表した、今後の人口減少と 若者、特に若い女性の東京流入で地方自治体が半減するという提言書は大変な論議を巻き起こしましたが、そのでもとりわけ注目されたのが東京都豊島区でした。
なぜなら、豊島区が日本創成会議で定義された「消滅の可能性のある自治体」に名を連ねたからです。“
え?豊島区が? と思うでしょう。統計上、豊島区は空家が多いのだそうです。
空家が多い ⇒人口が減る ⇒行政が成り立たなくなる ⇒豊島区消滅?
【印象に残った部分その2(152ページ)】
“ある都心のタワーマンションでの出来事です。
私の知人のマンション会社の社員がマンション管理組合の第1回目の設立総会に出向き、役員の選任や今後の組合の活動予定などの説明を始めたときのことです。
最高層部を数億円で購入した区分所有者である中国人が、彼の説明を遮って発言しました。
「なぜ、この管理組合の議事進行は日本語で行われるのだ。私は中国人。このマンションの所有者の多くは中国人と聞いている。ならば総会における使用言語は中国語でおこなうべきだ。」“
はい? っと思ったあなた。 思いますよねぇ。
でも、現実にあった話なのだそうです。
総会での使用言語は、すったもんだの末日本語に落ち着いたそうです。
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マクロで見れば空家問題、ミクロで見れば管理費の滞納やら人種問題?やら。
最近は流行りの民泊に絡んだ問題やら。
華やかなステータスシンボルであるタワーマンションも、色々あるみたい。
不動産を所有するのは大変だ、じゃやっぱり賃貸にしようか。
この本を読んでいるとそんな気にもなりますが、実は高齢になると家を借りにくくなったりします。
不動産を所有することに、メリットだけではなくどんなリスクがあるのかを事前に知って、うまく対処するようにすることが、今後の不動産に関わる場面では必要になってくるのかもしれませんね。
【参考著書 : 牧野知弘著 「2020年マンション大崩壊」 文春新書 (780円+税)】